好きな人は好きだと思う金属加工の世界。
興味の無い人にはまったく面白くないとは思いますが、リールパーツが出来る工程をザックリ紹介しておきます。
海外生産が当たり前になった現在にあって、純国産のリールパーツ製作現場をお見せします。
東京足立区から
みなさんこんにちは、ほぼフリッパーのカケヅカ(@kakedukzss)です。
自分は産まれは別のところ(らしい)ですが、ガキの頃から東京足立区で育ちました。
東京足立区と言えば、区内に警察署が三つもあるという治安の悪さ(笑。
というのは以前までの話で、今は割と穏やかで華やかになってきてるんですよ。
で、足立区のもう一つの顔が町工場が立ち並ぶものづくりの町。
自分も幼い頃から両親が経営する工場兼自宅で育ててもらいました。
昭和44年生まれの自分の時代は、子供が家の手伝いをするのはあたりまえで、学校から帰ってきてから寝るまで家の仕事の手伝いをさせられるのは良くありました。
もうイヤでイヤで…。
まあ、そんなネガティブな前おきになってしまいましたが、小さい頃から金属加工に関わって生きてきたという事ですね。
(まあまあ駄物屋でしたが)
図面の無い仕事
さて、では現在の仕事内容を見て行きましょう。
2017年2月末日、現在作ってるのはスプールベアリングリムーバー、ハンドルスクリューキャップ、その少し前がハンドルノブキャップリムーバーと言ったところ。
これらはすべてアルミ合金(ジュラルミン)を削って作ってます。
新規デザインのものもあれば、何度も注文を頂くリピート品(おかわり)もあります。
まあ、正直おかわりが何度もくると利益になりますが、新規デザインで一回出たっきりという商品も多々あります(苦笑。
今は小ロット多品種に対応しないと、うちのような小さい工場はやっていけませんから、そこは歯を食いしばって…。
とか言いながら、リピートばっかりやってると、「そろそろ新しいデザインの仕事したいなぁ」、などと贅沢言ったりしてます(笑。
なんにせよ、自分で新規にデザインして、それを図面化して製品にしたものがリピートされるのは職人冥利に尽きるところですが。
刃物地獄
金属切削の仕事をしてると、専用の刃物はドンドン増えていきます。
これもトライ&エラーな部分があって、使ってみないと良し悪しがわからないんですよね。
値段が高い刃物を使ってみても、思い通りの使用感じゃないと意味ないし、安い刃物が意外と使い勝手が良かったりするんですよね。
そこは釣り道具と通じるものがありますね(笑。
それにしてもここ数年で結構刃物試しました。
↑これはほんの一部ですが(笑。
うちで使う刃物の多くはスローアウェイと呼ばれる刃先交換式なので、先端のチップだけを買えば良いんですけどね。
それでも基本的に10個セットでしか買えないので、使えない時は涙ものです(泣。
まあ、今はだいぶ落ち着いてきましたが。
検品作業と雑務
普段のパーツ製作は基本デザインから設計、マシンの段取りからプログラム、プロト品を削ってHEDGEHOG STUDIOの社長と打ち合わせ。
そこでGOサインが出れば量産、という流れです。
ただし、その途中途中には結構雑務が割って入るんですよね(笑。
まずは削りあがった品物を薬品で洗浄。
これは切削油と呼ばれる油を取り除く作業です。
そして、マシンの中に溜まった切粉の除去。
そして洗浄の終わった品物をアルマイト加工業者に外注。
この時の検品作業も自分がやります。
ものによっては両親に手伝ってもらいますが、完全にまかせてしまうと返品の山になってしまいますので、最後は自分が自ら見ますね(笑。
それから上がって来たアルマイト品をチェック。
ここが一番感動する瞬間ですね(笑。
そこで問題が無ければ納品という順番です。
内職中(o^-^o) pic.twitter.com/keNVz7uH5V
— kakedzuka (カケヅカ) (@kakedukaSS) 2017年2月28日
日々裏方
さて、今回は誰も興味が無さそうな実務系の事を書いてみましたが、どうだったでしょうか(笑。
結構地味な作業が多いのを意外に思われたかもしれませんね。
これ以外にも注文書を作成したり、指示書を作ったり、あるいは外注さんと値段の交渉をしたり。
時には税理士さんに色々相談したり(笑。
この前は始めてブログの収益について相談しましたね。
まあ、ものづくりだけ出来れば良いんですが、会社経営っていろいろ面倒くさいです(笑。
だれか変わりに面倒な事をやってくれれば、ものづくりとブログだけに集中できるんですけどね(笑。
でもそれが今の現状ですから、これも楽しんでやっていきます。

私個人的にはこのような記事は好きですー。
普段、目にしているモノ、触っているモノ、使っているモノの製作工程や製作工具の事を知るのは面白いですよ。
実際、無機質なアルミニウムの塊がどのような工程を経て有機曲線を描く製品になるのか想像もつきませんから。
設計・製作・経理・営業・経営の殆どをご自分でこなさくてはならないのは大変かと思いますが頑張って下さい。
ありがとうございます。意外と見てくれる方がいてビックリしてます(笑。今後もっと書いてみようと思いました。いつも応援ありがとうございます。
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